ココロザシ

ソーシャルビジネス、中小企業の動向、その他私事キロクします。

IPO実務検定試験(標準レベル)を受けての気づき

2016年1月末、IPO実務検定試験を受けてきました。結果は81%で合格(標準レベル、60分で60問、70%以上で合格)でした。

 

上場を目指す企業は、適用される法令や遵守事項が増え、株主をはじめとして、上場後に関与するステークホルダーに対して責任ある行動と情報開示が求められます。

また、準備作業は膨大で、社内ルールの整備や上場申請に関する横断的な知見を有していなければなりません。

本検定では、上場に必要とされる知識や実務能力を有した人材を育成するための試験です。

仕事柄、上場を目指す中小企業が多いため、少しでもクライアント企業に有益なサポートをするため、また前職で上場準備に携わっていたことから、興味を持って受けてみました。

検定に関する基本的な情報は公式サイトに譲るとして、このブログでは、少しでもこの試験に興味のある方のお役に立ちたいという思いで書きたいと思います。

なにせこの試験、とにかく情報が少ないからです。

見えないものは不安ですね。これまで証券アナリストやFP、宅建などの試験を必要に迫られ受けてきましたが、どれも知名度が高く、テキストや問題集が充実しているため、受けた人の体験談やスクールに通えばよかったのですが、本試験はニッチ?な領域なので、ネットを見ても情報が乏しく、どのように勉強したらよいかわからず、不安な感じでした。

以下から、これから試験を受けるであろう方にも(ちょっとは)貢献できる所感を述べます。

勉強方法

僕の場合、試験は2ヶ月後に設定(いつでも受けられるので)し、

公式テキスト

Amazon.co.jp: IPO実務検定試験公式テキスト〈第5版〉: 日本IPO実務検定協会: 本

と、

公式問題集

Amazon.co.jp: IPO実務検定試験(R) 公式問題集 第2版: 有限責任監査法人トーマツ トータルサービス本部: 本

 

を購入。公式問題集は市場に出回っておらず、アマゾンでプレミアム価格で買いました。。。

でも、買ったほうがいいです。後で述べますが、形を変えて設問にでてくるので。

回した回数としては、1ヶ月ゆっくりテキスト(標準レベルの箇所のみ、興味があれば上級レベルの箇所も)を1回読み、問題集を半月かけて時間があるときに1回まわし、問題の感覚を掴んだあとに、試験3日前から集中してテキストを問題をイメージしながら精読(でも早く)、問題にでそうなところはエッセンスをノートに書きながら、問題集も1回確認がてらまわしました。

テキストには表が数多く掲載されておりますが、全て覚えなくても、一通りは読んだほうがいいと思います。

試験を受けて-実務しているイメージが大事!

じゃあ形だけ他の人と同じようにテキストと問題集回すだけでいいの?てな話になりますが、僕は「読むときの心構え」がこの試験を受ける上で重要ではないかなと思いました。

つまり、特に実務経験がない人が当てはまるのですが、試験の目的自体が「IPOの実務をできる人を養成する」とあるので、実際にIPO準備をしているイメージをしながらテキストを読むということが重要だということです。

僕はもともと証券会社に勤めており、一定の予備知識と上場準備に携わっていたことからテキストに書いてあることは、「あっ、この場面で証券会社からこんなこと言われてたな〜、そのためにこんな書類をつくったり体制を整備しなければいけないんだった」というように、具体的に実務をやってるところをイメージできていました。

実際にテストを受けていると、単純に知識の記憶力を問う問題はテキストに書いてあることをまる覚えすれば足りるのですが、テキストに書いてある内容を問うているのだけど、表現がまるで現場にいるイメージができていないと間違った選択をしてしまうだろうなぁという設問が多くみられました。 

ですので、ただ漠然と読むのではなく、テキストの内容を隅々まで読み、自分が担当者として証券会社や監査法人、社長や経営企画室、内部監査担当者の人とその内容についてやりとりをしているイメージを持って読み進めてください。

これで試験のための勉強ではなく、現場で活躍するための勉強にすることができます。

試験勉強に役立つ具体的なTIPS

以下に、試験でしっかり得点する、僕が試験を受けたうえでの気づきポイントをまとめます。

1.時間配分

本試験は60分で60問。1問1分で解かなければなりません。ネット上の他の情報にもありますが、30〜50%は選択肢の内何個あっているか(間違っているか)を問う問題です。これには1分から1分30秒かかるものもあります。そのため、他の単純な正誤を1つ選ぶ問題はパッパッと説いていきましょう。テキスト読んでれば瞬発的に答えられます。

 

2.テキストは隅々まで読む

印象に残った問題で、財務諸表の数値の表わし方(端数、表記なしの場合)がでたり、稟議書にはコメント欄を設けるのが望ましい、など、テキストに確かにでていたけど、個人的にはこんな細かいものもでるのかというところが選択肢にでてきました。強弱をつけて勉強することは大切ですが、標準レベルに該当する箇所は、隅々まで気を抜かず読み、知らなかったことはしっかりメモしておくことが大切です。

 

3.公式問題集もしっかりね

正直、問題集は問題数が少なく、アウトプットした気にならん!と若干感情的になりますが、やはり公式。全く同じ問題がでることはありませんが、その中での本質というかエッセンスはかなり選択肢に入っていたように思います。

 

 4.テキストに明らかに書いていないことは間違いの可能性大

言われたとおりテキストは隅々まで読んだ、でも本番で、「こんなの書いてなかったよ!」という選択肢が何個かでてきます。常識的に考えればそれはありえそうだ、とう選択肢は、ひっかけの可能性が高いと思いました(答え持ち帰れないので、真偽の程はわかりませんが)。ひとつ言えることは、テキストをしっかり読んだ前提で、そこに書いてないけどそれっぽいことがあって、他の選択肢と迷う場合は、書いてあったことを信じる!というスタンスで解答してください。仮にひっかけじゃなかったとしても、その割合は多くはないはずです。

  

以上、IPO実務検定試験を受けるに当たって、僕が経験したことからの気付きの共有でした。

IPOを目指す企業をしっかり支援することは、日本経済を活性化する上で重要であると思います。

しかし、上場にかかるコストや時間、関わる人が膨大になりますので、もっともっと実務担当者のスキルが底上げされ、スムーズに準備できる環境が整えばいいなと思っています。

この試験も、横断的な知識が身につくので、楽しいですし、他の業務でも役立つことが多くあると考えており、有意義だと考えております。是非参考にしていただければ幸いです。

 

次はタイミングを見て上級レベルを受けますー!

 

When we go into that new project, we believe in it all the way. We have confidence in our ability to do it right. And we work hard to do the best possible job.

-Walt Disney-